杉の泊ホビーフィールドのGNSS測量は新たな観測ポイントをもう一点追加し観測して完了。
短時間のGNSS観測(1時間程度かそれ以下)でかつ目測での垂直という観測にもかかわらず、また写真撮影もPhantom での高度約80m以上とあまり期待できない状況でありながらもかなりの精度で測量が完了、自身を深めました。
1000mx400m 約40haの測量で誤差12cm程度と十分な観測ができました。
役場から1筆図を取ってきて杉の泊ホビーフィールドの正確な範囲の決定もできました。
地籍図の透明度を上げて重ね合わせている、もちろん計算座標は同じJGD2011 CS3
役場の書類での座標と重ね合わせたところ撮影範囲の端のあたりでは若干の違いはあるようにも見えますがしかしこれはどちらが正しいかというと(正しいというのは地球上での位置の表し方の正確さ)弊社の測量のほうがより正しいかもしれない、ということ。
今回の撮影高度でのこのオルソ画像の正確さから、地上解像度1cm1ピクセルで撮影できればさらに高いレベルのGNSS測量も可能であると思われる。
次回の課題としてはさしあたって次のことが考えられる。
今回目測でテキトーにやったGNSSアンテナのポールの垂直を目測ではなくそれなりの方法を用いてできる限り垂直に立てる。(これによって得られる精度はポールの長さが1.8mであるので数センチは向上できる)
観測時間を1時間以上確実にとる。これは24時間の観測をして見ればわかることであるが1日の中でも1地点の座標値は揺れ動いており長時間の観測でその平均値をその地点の座標とすればそれだけ誤差は少なくなると思われるし、また測量規則においても1時間の観測は必須ではある。
GNSSアンテナの水平方向の向きを、どの観測地点においても同じにすること。同じところを磁北に向ける、これはアンテナの位相中心のズレを少なくして誤差を少なくできる。弊社のような簡易GNSSでも今回のような精度が出せるのであればこの作業も有効になるかもしれない(ここまでの注意が要るほどの精度が出るとは思えず今回はこのことは実行せずに観測した)
また今回の観測値が電子基準点から5km未満の距離であったということも精度の良さに結びついているものと思われる。基準局からの距離の1ppmの誤差はRTKの宿命であり今回も5mmは避けようのない部分であるし、基準局とできるだけ多くの同じ衛星からの信号を受信しPPKすることが精度の向上には不可欠の要素である。
もしも今回以上(具体的には10km以上であれば必要か?)の基準点の距離の場合には弊社が現在は後データのみの契約としているデータ配信会社(テラサット)から仮想基準点データを購入し利用することをすれば距離による精度の部分においても問題は無いものと考えられる。
また今回使用したGNSS観測機(というほどのものでもない、GNSSロガーというのが正解)は比較的安価で製作できており現在は2機稼働させているがGPSアンテナとその受信部はこの機械の購入時よりはるかに安価になっており、また現在ではその頃の金額を出せば2周波観測ができる装置の製作ができる。弊社でも機材の充実と台数の増加をして多地点の同時観測をしてRTKの本当の実力を試してみたい。これは近日中には実現させるつもりである。
弊社のような小規模測量業者でもGNSSーRTKの恩恵に預かれる。先達の開発に心からの感謝を表明する。
GNSS測量という性格から高価な測量機との差はあまり無いのではないかというのがこれまでの感想であり、これからも検証し実績を積んでいきたい。